奥津城まで

所謂日記だ。ブログには何度もトライしては挫折してきた。出来ることなら長く続けたいと思い、上のようなブログ名にした所存。

奨学金問題と謎の独立国家

気が付いたら、7月だ。梅雨も空梅雨なのか、余り雨が降った印象がない。若しかしたら、台風や豪雨等でこれからかも知れない。

中国、九州地方で被災された方々には、お見舞い申し上げます。

 

最近、ノンフィクションを二冊読んだ/読んでいる。

一冊は、文春新書『ブラック奨学金』。著者は、ブラック企業やブラックバイトと云った、若者の働き方に関わる問題に取材し、問題提起している本を数冊出している。また、そうした支援の為のNPOも主催している人だ。

本書では、現在の日本学生支援機構の苛烈な取り立ての実態と、そもそも多額の奨学金=借金を抱え込んでしまう過程が、具体的なケース別に紹介され、それが如何に問題であるかを示している。

また、海外の 奨学金制度と比較しながら、日本の奨学金制度がある種のエリートすらも潰しかねないものとして警鐘を鳴らしている。

個人的に驚いたのは、仮令名義人が自己破産等の債務整理をしても、払えなかった分は連帯保証人(多くは保護者)や保証人に請求が行ってしまうとう事態だ。これでは、親族皆自己破産という悲惨な状況が現実味を帯びてくる。

また、中には配偶者から家庭内暴力を被って、シェルターに避難している先にまで請求が来たという場合も紹介されていた。

減額請求や減免請求等の制度も使いづらく、返済人当人の状況すら考慮に入れられない場合の多い苛烈な取り立て。そして債務整理によっても保証人に伸し掛かる債務は、只でさえ、貧困化が進んでいる現在、余りにも酷である。無論その裏には、債務回収率を上げることで、格付を上位にしようとする支援機構の思惑もあるのだが……。

奨学金の現実を知ることで、この世の中の孕む問題がそこから見えて来ると共に、現に返済に苦しんでいる人には、具体的な手段を講じる為のマニュアルにもなる一冊である。

本書「あとがき」で、「(……)シビアに現状を見定め、最適な制度利用をし、それでもなお降りかかる問題への対処を準備する……そうしたことが必須のスキルとなっている。嫌な時代であるが、それが現実だ」と現況を評している。

感情的な部分もあるが、制度はあっても誰も教えてはくれない。求めるだけでは授けられはしない。例えば介護等もそうだ。

当事者としても、また世の中を巨視的に見る為の窓の一つとしても、参考になる一冊である。

 

 

もう一冊は、集英社文庫で文庫化した『謎の独立国家ソマリランド』だ。

これは「本の雑誌社」から数年前に出た時から話題となり、何時かは読みたいと思っていた。

こうした頗る付きに面白いノンフィクションには時々出会う。新潮文庫の『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』等がそうだ。

まァ、本はフィクションとノンフィクションに大別出来るのだから、ノンフィクションが圧倒的に多いのだから、玉がごろごろしていてもおかしくはない。

リアル北斗の拳と評されるアフリカのソマリア、その中にあって、ソマリランドという事象独立国家は武装衝突も戦闘も起きていない、ラピュタのような理想郷だと云う。その実態を確かめに、著者は友人と手を尽くし、現地へと出発する。

ハイパーインフレであるものの、自国の通貨をも発行し、市場には果物が溢れるソマリランド。しかし、近海には海賊すらも跋扈すると云う噂もあるかの「国家」とは如何なる場所なのか……。

著者の語り口の面白さもあり、興味の尽きない一冊だ。

 

今回は実に簡単で表面的な感想で恐縮だが——と云っても何時も大したこと書いていないが——本のことについて書くと、何だかこのブログの本来性が発揮されているような気がする。飽くまでも気がするだけだし、当ブログの本来性とは何ぞやと書いていても思うのだが……。

暑くなってきますが、お身体には気を付けて、この夏も息を吸うように読書をして下さい。後、スティーヴン・キングの『セル』が映像化していたらしくて、一寸ビビったよ。

 

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