奥津城まで

所謂日記だ。ブログには何度もトライしては挫折してきた。出来ることなら長く続けたいと思い、上のようなブログ名にした所存。

皐月に読んだ本の紹介

やっはろー。水無月も半ばだと云うのに、昨月読んだ本の紹介です。ここ毎月のことながら、余り冊数が読めていないと云うのが感想。

 

 

 

5月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1223
ナイス数:6

松本清張への召集令状 (文春新書 624)

松本清張への召集令状 (文春新書 624)

 

  召集令状」をキィ・ワードに、清張自身の従軍体験と、作家のネガティヴな内面、それを創作の情熱として諸作を生み出してきた様子が、嘗ての担当編集者によって語られる。長編『遠い接近』を中心に、本来ランダムであるべき赤紙の交付に係員の恣意が挟まれていたこと、軍隊という閉鎖された官僚機構内での陰惨なリンチ、稼ぎ頭である家長を兵隊にとられ路頭に迷う可能性のある家族等、清張が筆で「組織・権力」と相対することへの源泉となった体験を主軸とした、迫力と深刻さを伴った作家評伝である。昏い情念は何物よりも鋭利に巨権と対峙した。
読了日:05月16日 著者:森 史朗

 

   え、鶴田版「エマノン」は、諸事情によりこれが目下のところ、最終巻になっちゃうの!?  でも最後、凄い引きなのだが……。 以前登場した「兄」のように、様々な能力を持つ人々と出逢うエマノン。その中で、彼女が一個人・荏衣子として家族と共に暮らし、生命進化の生き証人として、その本能に従いさすらい出すまでが一つのストーリィとなる。個人、家族、種々の人間関係の葛藤が、淡々としたカットの中に、深いドラマと余韻を残す。生まれながらに全生命の記憶を持つ少女が一時真に少女の時代を過ごした、永遠と儚さの間を結晶させた一冊。
読了日:05月12日 著者:梶尾真治,鶴田謙二

 

眼の壁 (新潮文庫)

眼の壁 (新潮文庫)

 

   手形のパクリ詐欺に端を発した事件は、何人もの関係者の死を呼ぶ。会社に対する責任を感じて自殺した上司の無念を晴らす為に、素人探偵を行う萩崎竜雄は、友人の新聞記者と共に、事件の背後に潜む黒幕へと迫るが……。著者が楽しんで書いたとの噂通り、文章も伸びやかで、かと云って弛緩する所はない。時折挟まれる竜雄の素人「俳句」も、そんな著者の余裕の現れであろう。個人情報の取扱については時代を感じるが、それが瑕瑾ではなく、寧ろ新幹線もない頃の話であっても、気にならず時を超えて楽しめる、推理小説の佳作である。
読了日:05月08日 著者:松本 清張

 

 読了日:05月06日 著者:上橋菜穂子,荻原規子,清水真砂子,萩尾望都,白井弓子,上田早夕里,横田

 

 

埴谷雄高 (講談社文芸文庫)

埴谷雄高 (講談社文芸文庫)

 

  読了日:05月05日 著者:鶴見 俊輔

読書メーター

 思った程感想も書けていないなァと我ながら意外。雑誌等は全ての記事を読む訳ではないので、気になった箇所をノートすれば良いのだろう。「ユリイカ」のル=グウィン追悼特集は、本文もさることながら、後記で「フレッシュプリキュア!」に触れていて吃驚した。

 鶴見俊輔埴谷雄高』は、ハードカヴァ版の文庫化。補遺あり。『夢野久作埴谷雄高』から読んでいるので、三ヴァージョン目だ。

 皆さんが、面白い本を読んで、豊かに人生を送れますことを願って止まない。

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