奥津城まで

所謂日記だ。ブログには何度もトライしては挫折してきた。出来ることなら長く続けたいと思い、上のようなブログ名にした所存。

葉月に読んだ本をまとめるよ

皆さんこんにちは。最早或る種のマンネリを禁じ得ない、月一の読書メーターまとめの時期がやって参りました。折角なのだからもっと色々書かなければと思い、あっと云う間に一箇月が経ってしまうものですね。

 

 

8月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:2784
ナイス数:38

 

 

  日常ドラマに特化してことに定評のある、上北ふたご先生によるコミカライズ。進行の都合でルールーがしれっと仲間になっているのは仕方ないし、アニメ本編に譲るとしても、コマがみんなキラキラしていて素敵。隙間頁のハグカットもいいが、必見はカラーピンナップでのハリハム・ハリーのチアコスだ。
読了日:08月09日 著者:上北 ふたご

 

 

  せがわまさきにより現代に新たに蘇った『魔界転生』が遂に完結。魔人と化した剣豪を続々と斃し、残る転生衆は兵法者にして求道者である新免武蔵一人。不気味に沈黙していた武蔵は、ことここに到りて己が悲願を果たさんと動き出す。そして舞台は巌流島の別名である船島と同じ小島へ——。イメージ、ヴィジュアルはモダンに、しかし原作の本質は外すことなく、「バジリスク甲賀忍法帖」、「Y十M柳生忍法帖」に続き、山風忍法帖は脈々と継承された。残すは当然、「柳生十兵衛死す」しかないではなかろうか。
読了日:08月10日 著者:せがわ まさき

 

 

同時代ゲーム (新潮文庫)

同時代ゲーム (新潮文庫)

 

  今なら読み切れるかも知れない——と云う予感と勢いと共に読了。壊す人とその同行者達による村=国家=小宇宙の創成期から「自由時代」、そして五十日戦争へと到る特異な神話と歴史が、妹への手紙と云う態で長大に記される。メキシコでの書き手の近況を交えた「第一の手紙」を越えた辺りから、神話的、伝承的な事件と人物達が跋扈し始め、それは遂に銀河系宇宙へと向かってゆく気宇壮大な物語。共同体の神話と歴史もさることながら、書き手も属する露五兄弟各々の独特さとその運命が特に面白い。既存のイストワールを転覆するアナーキーな大作。
読了日:08月11日 著者:大江 健三郎

 

 

原民喜 死と愛と孤独の肖像 (岩波新書)
 

  その繊細な文学的感覚と、壮絶な被爆体験で珠玉の短編を遺した原民喜の評伝。死・愛・孤独を各章題として、父への憧憬、先立たれた最愛の妻、「三田文学」、「近代文学」の才能ある同人達との交流と、その内向的で自閉的な性格からの苦労、諸作品への結実を描く。敗戦直後の極貧で体調不良の中、石油箱を机に「夏の花」等を書いたエピソードは、作品集に作者の言葉としても載っているが、しかし改めてそこにその創作の凄絶さと切実さを感じずにはいられない。遠藤との友情、埴谷の弔辞も胸を打つ。
読了日:08月12日 著者:梯 久美子

 

 

岸辺露伴は動かない 2 (ジャンプコミックス)
 

  異能で孤高 (友達が少ない)の漫画家・岸辺露伴狂言回し役を演じる短編集の第二弾。ポジションは「魔少年ビーティー」の麦刈公一と同等である。しかし、巻頭のプロフィールで、友達はその麦刈公一をモデルとした広瀬康一君しかいないと書かれているのは、何だかしみじみとする。本編には未登場なのに康一君の人徳が伝わってくるようだ。二人の公一/康一は真の友情の体現なのだろう。また、山岸由花子が登場するのも良い。
読了日:08月19日 著者:荒木 飛呂彦

 

 

小説帝銀事件 新装版 (角川文庫)

小説帝銀事件 新装版 (角川文庫)

 

  帝銀事件の真相を追うことで、自白に重きを置く旧刑訴法の問題点、それによる冤罪、そして混沌とした敗戦直後の占領時代、被疑者の精神的不安定をどう鑑みるか等、幾つものテーマを内包している佳作。架空の人物が当該事件を回想する形態なので「小説」と冠してあるが、これを機に作者が本格的にノンフィクションへと進み始めたことは有名だ。しかしフィクションであっても、晩年に到るまで現代にも通じる社会的諸問題を清張作品は提示する。それこそが真の「社会派」たる所以だ。一見無味乾燥な事件過程を面白く読ませる清張の筆の巧みさよ。
読了日:08月20日 著者:松本 清張

 

 

美しい星 (新潮文庫)

美しい星 (新潮文庫)

 

  変な小説だな——と云うのが、読中の印象だった。三島作品は幾つか読んでいるが、ここまで奇妙な感じがした覚えは余りない。しかし、火星人(自称)の家父と、白鳥座から来た(自称)万年助教授連中の妄想的なまでに巨視的な対決は、ドストエフスキーを想起させる。創作ノートの冒頭にもロシア作家の名があり、想定されていたようだ。火星人(自称)の家父の受難はキリストのようであり、ラスト・シーンは「未知との遭遇」さえ連想された。目撃してしまったら一頻り忘れることが出来ず、不可思議な感覚に執われるまさに未確認飛行物体のような異作。
読了日:08月23日 著者:三島 由紀夫

 

 

  ガハラさんって、「ひたぎクラブ」のラストは結構普通だったなとの印象を早速白浪公園の待ち合わせから覆してくれる変態コメディ(褒めている)。気になったアニメとの細かい違いを挙げれば、忍ちゃん、メメの前ではもう口利いているんやね。
読了日:08月23日 著者:大暮 維人
 

 

 

  エーコ「私もよく部長から◯◯◯◯と言われておりまして‼︎」 不覚にも描きおろしおまけの最後ちょっとだけ感動したよ。連載再開祈念(誤記ではない)。
読了日:08月25日 著者:服部 昇大

 

 

ほぼ日手帳公式ガイドブック2019

ほぼ日手帳公式ガイドブック2019

 

  読了日:08月30日 著者:ほぼ日刊イトイ新聞

 

 

山崎豊子読本 (新潮文庫 や 5-71)

山崎豊子読本 (新潮文庫 や 5-71)

 

  読了日:08月31日 著者: 

 


 漫画もちょくちょく読むようになって来て、個人的には結講なことだと思っています。今年は永井豪石ノ森章太郎の記念年でもあるらしいですので、往年のものが復刊しており、ついつい目移りしてしまいます。長い作品とかも実は多くが未読な所存。  それでは、皆さんも体調には気を付けて、良い本を沢山読み、有意義な人生を送って下さい。

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